米国市場では高水準な生産者物価指数(CPI)を受けて、昨日消費者物価指数は前年同月比6.2%の上昇と31年ぶりの延びを記録しました。水曜日の米国市場はそれまで三指数ともに続騰していることから、久々の大幅安で着地いたしました。
長期金利もこのCPI発表を受けて0.1%程上昇しましたが、その程度かという感想です。逆に長期金利とともに注目の原油価格は大幅に売られ、再び25日線を下回ってまいりました。
米国市場につきましては31年ぶりの伸び率は確かに気の留める材料ですが、結論から申し上げますと大きな衝撃には至らないと思われます。金利上昇は株安材料というセオリーはありますが、仮にそうならば米国市場はとっくに売られております。
その要因がハッキリしておりますので、所謂原油高、人員不足、サプライチェーンの目詰まりが主なところで、すべてここに集約されます。
原油につきましてはこの冬を乗り切れば一段落すると思われますが、乗り切るための戦略備蓄の放出が米国で言われ始めております。何せこの原油高の中で米国は備蓄を増やしている訳ですから、ここでの放出は全く問題ありません。
人員不足は先日発表の雇用統計で予想以上の延びが示す通り、職種を選んでいた人達が労働市場に戻ってきており、雇用者数もコロナ前の水準が近くなってまいりました。更にサプライチェーンの問題もバイデン大統領がロスアンジェルス港の24時間稼働を指示するなど改善の目途が見えてまいりました。
このような環境でもパウエルFRB議長がインフレは一過性とのスタンスを崩さず、テーパリングには踏み込むものの利上げには否定的なのは、現状がピークであるとの判断からであり、ECBラガルド総裁も同意見であります。
これだけ高値にある米国市場でのCPIの伸びは、我々日本人からすると羨ましい悩みでありますが、さて東京市場は昨日申し上げました通り決算発表と政策骨子、もう少しの辛抱かと存じます。
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