「2%の物価上昇率」という目標に向かって突き進む黒田日銀総裁は、市場関係者の間で「マラドーナのようだ」と云われることがあります。
1986年のメキシコWP準々決勝のイングランド戦で伝説の5人抜きを見せたアルゼンチンの国民的英雄とダブルようです。マラドーナは、自陣からのドリブルで相手選手を次々と抜き去り、2点目を決め、そのままの勢いでWC優勝の立役者となったのです。
この「マラドーナ理論」は、イングランド銀行のキング前総裁が2005年の講演で語ったものです。天才ドリブラーなら右へ左へと動くだろうと守備陣が予測していたので、マラドーナはほぼ真っすぐに突き進むことができたのです。
キング前総裁は「金融政策でもこのやり方が通じる」と指摘しました。
市場は、常に中央銀行の意図を先読みして動きます。その市場心理をうまく利用すれば、政策金利をさほど動かさなくても中央銀行の目的を達することができる…。
昨年10月末の追加緩和は、まさに「マラドーナ理論」が当てはまります。意表を突く一手で市場が大きく反応し、$1=120円前後までの円安が進みました。
この春、賃上げの動きが広がったのも、円安効果で輸出企業の業績が改善したところが大きいのです。
異次元緩和も今月4日で2年が経ちました。
まだ、2%のゴールは達成していませんが、黒田総裁の決断力とメッセージの強さで、マラドーナばりの活躍を期待したいですね。
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