経験豊富な医師でも見逃してしまうような小さな異常を人工知能(AI)が見つけ出す。―そんなAIを使った「画像診断」の技術が近い将来に実現しそうです。昨今、専門医の学会や半導体大手、ベンチャー企業などが相次ぎ開発に取り組んでいます。
まず土台になるのが、画像のデータベースを作ることです。国立がん研究センター中央病院(東京・中央区)など全国の32の病院から合計で約32万件の画像情報を集めます。
病院では1回の診療で30〜160枚程度の画像を撮影します。それらに加え、医師の診断結果や患者本人や家族の病歴などの情報も集めます。このデータベースを使い、AIは「ディープラーニング(深層学習)」と呼ばれる方法で自ら診断の成果を高めていきます。
最近では自動運転や感情の理解にも使える高度なAIの開発が進んでいます。それを可能にしたのが深層学習です。従来はデータをAIが分析する方法を人が定義していましたが、人の脳の仕組みをまねたアルゴリズムが開発されたことで、AI自らがデータの特徴を見つけ出せるようになりました。
国内の医療用AIの市場規模は20年には98億円と16年の37億円の2倍超に伸びます。この背景には画像診断を担う医師の不足が見込まれることにあります。
AIによる診断支援や実現すれば、医師1人あたりの負担が軽くなり診察も早くなります。人の目では発見が難しい疾病の兆候に気づいたり、どの病院でも高いレベルの診断が受けられたりと云った効果も期待されます。
画像診断装置が広く普及する日本には豊富な画像データがあります。うまく活用すれば、ベテラン医師と同等のAIが開発できる可能性があり、医療の大幅な進展にもつながります。
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