米国ウォール街の格言に「落ちてくるナイフはつかむな」があります。英語では「Don′t catch a falling knife」です。
株式が下落している有り様を落ちてくるナイフに例えており、下げている途中で買ってはいけないという教えです。
落ちてくるナイフをつかもうとすると、うまく柄をつかめず刃をつかみケガをしてしまいます。ナイフが床に落ちてからつかめば全くの無傷です。
プロである機関投資家に逆張りの戦術を好むマネージャーはほとんどいない一方で、個人投資家には逆張りを好む人が多いのが実情です。これは個人投資家は「人の裏をかき、自分は賢い」と思いたい気持ちがあるのでしょう。
実際に逆張りが上手くいって利益がでると、実に気持ちが良いのです。世間一般の平凡人とは違い、「自分は特別な存在で、周りがみな恐怖に怯える中で自分だけが冷静な賢い投資家で、やはり自分は只者ではない」と悦に浸るのでしょう。
しかし、株式長者を目指すなら、このような投資行動は慎むべきです。例えば、リーマンショックのような金融危機が起これば、PERが何倍だから割安とか、PBRが何倍だから売られ過ぎだとか、そんな頭デッカチ的なことを云っても意味がありません。そんな尺度は、市場が比較的落ち着いているときに機能する判断材料なのです。
もっとも、株価の急落後は急反発することも多いので、絶好のチャンスになることもあります。どんな下げでも「落ちてくるナイフはつかむな」を意識し過ぎるとチャンスを逃がしてしまい兼ねません。
この格言の骨子は英語で「falling」、現在進行形を使っているところです。下げが現在進行形の状態であることです。言うなれば下落トレンドの途中で安値をつかもうとしてはいけないと理解した方が良いでしょう。
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