安倍政権は、70歳未満の厚生年金の加入期間を延長しようとしています。支給開始年齢も段階的に75歳まで引き上げる腹積もりです。
高齢者雇用安定法で希望すれば65歳まで働くことができ、社員の定年や再雇用での退職時期を繰り下げる企業も多くなっています。
その結果、年金の支給を増やしたいと思い、支給開始時期を繰り下げる人も徐々に増えているようです。
年金は65歳を基準に受給を1か月繰り下げるごとに、年金額が0.7%上乗せされ、1年で8.4%増となります。現在の上限の70歳まで遅らせれば、42%増えることになり、通常の65歳と比べればざっと1.5倍です。
しかし、この仕組みには注意が必要です。年金の繰り下げによる割増額は“額面価格”です。税金や社会保険料を控除すると手取り額は減ります。受給額が多くなれば、税金は多くなるため、繰り下げで額面金額が増えた人ほど税額が増えるため、実際の手取り額は額面の90〜80%に下がる人もいます。
それでも65歳以上には「公的年金控除」として120万円が控除されます。70歳まで繰り下げると、基礎年金と厚生年金を合わせると120万円の枠を超える可能性がある方は注意が必要です。
さらに注意したいのが、現在60歳前後の人は、『老齢厚生年金の特別支給』を受けられる例外的な世代(1961年4月1日以前生まれ=58歳以上)です。
厚生年金の支給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられたことに伴う便宜的措置で、定額部分と報酬比例部分から構成される厚生年金のうち報酬比例部分のみ、60〜65歳まで受給できる制度です。
この『老齢厚生年金の特別支給』は、65歳から受給できる老齢厚生年金とは別物で、65歳より早く受給しても繰上げ受給とはなりませんので、早めに受給した方が良いかも…。
特別支給の老齢厚生年金は、「働きながらもらえる年金」とされますが、65歳までは給与と年金額の合計が28万円を超えると、超えた分の半額が減額されるので、要注意です。
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