東京市場に比べて、相変わらず強調展開が続く米国市場であります。米国議会はバイデン大統領の追加経済対策1.9兆ドルの及ぶ予算審議が始まっておりますが、共和党の反対もあり満額での議会通過は難しいかと思われます。ただ、仮に減額されたとしても相当な経済的インパクトがあり、当然株式市場は好感してまいります。
更に金融政策に至っても、パウエルFRB議長の見解は当欄での再三取り上げておりますが、先だっての長期金利の上昇、CPI(消費者物価指数)の上昇も、あくまでも目先要因であり、現在のコロナからの米国経済の回復過程でも非常に冷静に見ており、目先波乱が常に付きまとう雇用、物価の数値に対しては一貫した姿勢を貫いております。
特に今回の米国経済の回復過程では、過去の景気の落ち込みからの回復とは違い、FRBメンバー全員が一枚岩であるように思われます。
過去の景気回復期のFRBメンバーの見解は常にハト派タカ派の見解の相違が露呈し、FOMCでは何対何で緩和政策継続だとか、あるいは緩和縮小方向との結論というパターンが殆んどでした。
今回はこれだけ株価も回復し、経済成長も戻りつつある中でも、パウエルFRB議長は言うに及ばず、先週はクラリダ副議長が、雇用、物価高は一時的とし、昨日はブレイナード理事が「インフレが上昇するような展開になっても、現状のインフレ率に深く影響を及ぼすことは想定されない」と発言、更にアトランタ連銀のボスティック総裁、セントルイス連銀のブラード総裁もインフレ高進は驚きではなく、一時的なもの、との見解を明らかにした。
これだけ物価、金利の番人であるFRB内部が一枚岩に纏まっていることは過去にあまり例がなく、それだけ100年に一度と言われる今回のパンデミックを一般のエコノミストやアナリストが思う異常に、重く、注意深く見ているものと
思われます。
確かにこのFRB の姿勢を見誤ったエコノミストも多く存在し、ですから昨年末から空売りが全く減らないのではないでしょうか。
さて東京市場は、ワクチン、感染者数、オリパラ、いよいよここ2、3週間が勝負どころかと存じます。
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