安倍晋三首相が先週、消費増税の景気への影響を検証するように関係閣僚に指示をしていたことを受け、市場では円相場の反応に関心が集まっております。
仮に消費増税が先延ばしされたら、円高になるのか、円安になるのか、消費増税の影響が急に読みづらくなってきました。
株式市場関係者の間では、当初は「増税先延ばし→景気停滞回避→株高・円安」というシナリオを描いていました。
しかし、消費増税が先延ばしになれば、外国人投資家の日本経済への信認が揺らぎ、株安になる可能性が云われ始めております。最近は株安と円高の連動性が強く、その場合は「増税先延ばし→株安・円高」という正反対のシナリオが浮上します。
日銀の黒田東彦総裁は8日の記者会見で、消費増税を実施しても「成長は続く」と強調しました。増税の実施が決まれば駆け込み需要で内需が膨らみ、輸入が増えて貿易赤字が拡大し、円安圧力が強まります。
一方、先延ばしになれば駆け込み需要が発生せず、輸入が減って貿易赤字が縮小し、円高圧力が強まるというシナリオです。
市場関係者に予想では、増税実施7割、先送りや増税ペースの見直し3割といったところですが、円相場の行方には一層注目しておきたいところです。
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