直近何かと話題の多いソフトバンクグループ(SBG)ですが、そのCEO孫正義氏は自らSBGは投資会社であると公言しております。今までは未上場の優秀な企業を発掘し、投資し育ててゆくビジネスモデルであり、新規上場を果たした後も投資し続ける企業の多々ございました。
しかしながら米ウィーワークへの投資の失敗以来、旗色があまり思わしくなく、更に米中摩擦の加速化から、中国のバイトダンスなど「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」の既存投資先の先行きも見通せない状況の中、財務内容は結構痛んでおり起死回生狙いか、想定元本ベースで数兆円という空前に規模のデリバティブ取引を手掛けていたとも報じられました。
ゴールドマンサックスによると過去2週間で取引されたオプションコールの想定元本は一日平均3350憶ドル(35兆5000億円)と過去最大規模でSBGの買いはその1割程度に及んだそうです。
オプション取引をされない投資家にはわかりにくいかもしれませんが、資金規模に比べてレバレッジが効くため、全く侮れない金額です。
そのSBGが経営陣による自社買収を画策していると英国メディアが報じました。
SBGはIT事業戦略の中核企業と位置付ける傘下の英半導体設計大手アームを、米半導体大手のエヌメディアに最大400憶ドルで売却し、さらに10兆円規模で運用する「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」の低迷から負債圧縮と自社株買いに向けた資産売却で6兆円程の調達に目処をつけました。
更に連結子会社のソフトバンク株売却で1.2兆円の資金を手にしております。
ワンマン経営者が市場の短期的評価を嫌い、MBOに至るケースは過去数多くありました。孫正義CEOが今後より思い切った投資戦略を望むがための数々の資産売却、資金調達と見れば、英国メディアの報道も頷けるかと存じます。
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