先日、米国運用会社バークシャー・ハサウェイ率いる、ウォーレン・バフェット氏が日本の五大商社を一挙に7000億円買い付け、大株主に登場し、市場関係者を驚かせましたが、その底流には「脱・米国一極集中」の考えがあるようであります。
バフェット氏が1998年以前から長期保有しているのはコカ・コーラ、アメリカン・エキスプレス、ウェルズ・ファーゴ、ムーディーズ、P&Gの5銘柄で、これが主力であると自身でも公言しております。
この5銘柄の投資残高に占めるウェイトも当時の90%から2000年には80%、2020年8月には20%を下回っており、更に、この主力5銘柄を含む保有40銘柄で3月の急落で43.7%評価額を失い、その後の戻りでも30%強しか取り戻しておりません。
バフェット氏はバリュー株の長期投資でパフォーマンスを上げて、毎年長者番付の名を連ねておりますが、今年は上記のように運用成果は決して褒められたものではありません。しかしながら、この惨憺たる投資実績を救ったのが、2018年から保有しているアップル1社であります。
しかも当時アップル株の購入も、「自分が理解できないものには投資しない」の理念のもと二の足を踏んでおりました。それでも現状を考えれば、「金投資は何も生み出さない」との理念がありながら、最近は金鉱株を買っている訳でありますから、何おか言わんやであります。
別段バフェット氏の悪口を言っている訳でもありません。この業界、
朝令暮改は当たり前ですし、悪しき習慣は直ちに訂正することがパフォーマンス向上につながります。バフェット氏といえどもアタリもあればハズレもあることだけは絶対です。
因みに、バフェット氏が今まで株式投資で15兆6000億円利益を上げておりますが、その59.3%、9兆3000億円をアップル株のみで、しかも直近3年弱で稼ぎ出しております。
何を言いたいか、結論はバリュー株投資のバフェット氏も結局はグロース株(成長株)に救われました。個人投資家であれば尚更、個別成長株しかありません!
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