世界経済危機は各国・地域がそれぞれの通貨安を求める「通貨戦争」に発展しております。グローバル経済の大競争時代に輸出競争力を高めようという動きです。
政府・日銀による為替介入の陰で、経済産業省などが対ドルだけでなく、韓国ウォン買い介入の検討を財務省に打診したことが分かりました。現実的には技術的、政治的に困難なため黙殺されましたが、背景には根深い問題があります。
韓国当局は公式には認めていませんが、輸出競争力を高めようと自国通貨売りの介入をしているのは公然の事実です。対円相場で、ウォンは政府・日銀が介入を再開した9月半ばまでの約半年で1割超も下落しております。
財務省には、大手電機メーカーや自動車メーカーから韓国のウォン安是正に向けた動きを求める声が殺到しておりますが、韓国側の為替取引規制などから実際には多額の円とウォンを交換できる市場はなく、日本による介入の道は事実上封じられております。
韓国はすでに欧州連合と米国との間で自由貿易協定(FTA)に署名済みで、欧米市場で韓国製品への関税が原則撤廃されれば、日本の輸出競争力がダメージを受けることになります。
ウォン買い構想は実現しませんでしたが、投げかけた問題は小さくありません。政府・日銀は一刻も早く対応策を講ずるべきでしょう。
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