黒田官兵衛は英賀合戦で、僅か5000兵の手勢で5倍の兵力を持つ毛利輝元の大軍を追い払いました。
勝因は味方の軍勢を実際よりはるかに多いと思わせる心理作戦に出たことで、毛利軍はパニックに陥り退去したのです。その作戦は、奇襲と同時に農民たちにほら貝を吹かせ、鐘や太鼓を鳴らさせて敵の戦意をくじいたのでした。
黒田東彦日銀総裁のデフレ脱却も根幹は心理作戦です。
金利はもう下げられず、切り札の最終手段は量的緩和ですが、それを最も効果的に使ってインフレ期待を高めるかが重要となっています。
昨年の緒戦の異次元の量的緩和は見事の一言でした。
予想を超える大規模な「バズーカ砲」をぶち放して市場のド肝を抜き、円安→株高につなげました。
今回の黒田日銀は、量的緩和の実弾作戦ではなく、理詰めで相手の戦意を崩す文字通りの心理作戦を取っています。
「インフレ期待は相当高まってきた」「需給ギャップはゼロに近づきつつある」?日銀が最近強調するのが、2%の物価目標の実現が視野に入ってきたことを示唆する幾つかの材料です。
勿論、目標実現が疑わしくなれば追加緩和を辞さない姿勢を示しています。目標実現の達成時期は来年の春に迫りますが、一歩も引かずに自信満々に着実な進展を強調する「黒田節」が世の中のインフレ期待を成功に導きそうです。
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