元棋士の桐谷広人さんの影響もあり株主優待が一大ブームとなっております。その起源や歴史ははっきりしていませんが、「お歳暮やお中元のような感謝の気持ちを贈る」「株主総会のお土産が知らぬ間に制度化された」などの諸説があります。
欧米を始め海外株式市場では、ほとんど皆無なこの「株主優待」という制度ですが、最初に始めた企業はどこでしょうか?
記録が確認できる範囲で最も古い優待会社は「東武鉄道」でした。同社の社史には「明治32年(1899年)、優待株数300株以上、範囲は鉄道全線、優待株主数41名」との記載があります。戦前どころか19世紀の話です。
当時は鉄道など大規模インフラの整備のための資金調達手段として株式会社が多く生まれた時期で、戦後は百貨店や航空会社などに広がっていったと推測できます。
さらに、高度成長期には急増する個人投資家を取り込もうと、裾野が一気に拡大しました。バブル期には小売りやサービス業など様々な職種が
導入するようになりました。
一方で、同じ株主還元でも現金配当を重視して優待から距離を置く企業が多いのも事実です。全上場企業に占める優待実施社は既に1200社近くまで増えてきましたが、2000社超となることは無さそうです。
今後は「長期保有してくれる個人投資家の獲得」という本来の趣旨に沿って、すでに優待を導入している企業でも長期優遇を取り入れるなど、仕組みに工夫を凝らす企業が増えてきそうです。
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