日経平均株価が、ここ2年半で大幅に上昇しているため、現在の水準がバブルか否かについての議論がたびたび起きています。また、バブルだから危ない、或いはバブルでないから心配ないといった声を聞きます。
しかし、何がバブルかについては、実は学術的な認識と一般的な認識とでは大きなずれがあり、混乱があります。
経済学におけるバブルの定義は比較的はっきりしています。株式そのものの持っている勝ち(これをファンダメンタルズと呼ぶ)を超えて高い価値がついている部分がバブルです。
しかし、ファンダメンタルズ自体が、客観的に定義できるものではなく、あくまでも各投資家による将来予想に過ぎないため、今の株価がバブルか否かを議論するのは、あまり生産的でないことが分かります。
今の株価がバブルでなければ暴落せず、バブルであれば暴落するというのは大きな誤りです。また、バブル=悪、バブルでなければ善と云うのも短絡的な主張です。
バブルでなくても大きな損害を経済にもたらすこともあるし、2000年のITバブルでは、バブルの後遺症を残す一方、新たな技術革新につながりした。ITバブルは崩壊しても、ITインフラの普及が驚異的なスピードで進んだことは事実なのです。
今の相場がバブルか否かにこだわるよりも、この上昇相場を上手く利用することの方が賢い選択でしょう。
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