先日、経済紙の記者と喫茶店で談話をしていたところ、隣のテーブルにいたお母さん二人組の会話が耳に入ってきました。
どうやら一人のお母さんの息子さんの名前が「ゆう」さんで、小学校で英語の授業がスタートし、自己紹介で「アイ・アム・ユー(私はあなた)」になるのが気に入らず、名前への不満を述べていると云います。友達にでもからかわれたのでしょうか。
ですが、それを云えば、女の子の「まい」さんも同じです。自己紹介が「マイ・ネーム・イズ・マイ」になってしまいます。
森鴎外が我が子に外国でも通じるように「茉莉」「類」などと洋風の名前を付けたのは有名な話ですが、きちんと意味のある漢字を充てています。
プロゴルファーの宮里藍さんは「アイ」という名前がアメリカ人に受け入れやすく、すぐにアメリカに解けこめたと云います。また、サッカーのカズこと三浦知良さんもイタリアリーグ入りした際に、イタリアの名車フェラーリのミュラーの発音がミウラに近く、すぐに名前を覚えてもらえたそうです。
今年の赤ちゃんに多い名前のトップは男の子が大翔(ひろと)、女の子が葵(あおい)だそうです。漢字に願いを託すのも日本の命名文化の良い点です。「ゆう」君も「まい」ちゃんも、いずれ自分の名前が誇りに思うときがくる筈です。
2016年申年も希望や願いが満ち溢れた一年であることをお祈りいたします。