消費税再引き上げまでの期間が1年半を切っておりますが、本当に17年4月に消費税が8%から10%へ引き上げられるのでしょうか?このままですと、2016年7月の参議院選の前(6月頃)に「延期」を表明する公算もあり得そうです。
まず、日本経済は14年の消費税増税からまだ十分に立ち直っていません。4〜6月期のGDPはマイナス成長であり、7〜9月期もほぼ横ばいと見込まれており、こんな状況で再び消費税を引き上げれば、日本経済は再びデフレに逆戻りしてしまいます。
もう一点は、「軽減税率」の問題です。
先の報道では、軽減税率の対象を「酒類、外食を除く飲食料品」に拡大したものの、今度は「何が外食か」の線引きが難航しています。
牛丼やファストフードは店内で食べたら10%、テークアウトなら8%など、消費者も事業者も首をかしげるような分かりにくい区分になっており、8%か、10%かの線引きだって今後まだまだ揉めるでしょう。
このような合点のいかない矛盾だらけのケースが多々想定され、誰もが納得できる線引きを見つけないと混乱が起きかねません。
さらに、今後の財源探しも大きな課題です。
軽減税率分の財源1兆円探しは「1年かけて検討していく」(麻生財務相)と先送りを示唆する側と、「財源と対象品目の決定は同時並行的にやるべきだ」(二階総務会長)と足並みが揃わない上、インボイスの導入にしても、中小企業は大変で揉めることは確実です。
結局のところ、17年4月までに軽減税率の制度設計の時間が足りないのです。安倍首相も、“それを言い訳”に消費税増税を「再度凍結」すれば、アベノミクスの評価も下がりませんし、参議員選の勝利も目に見えてきます。
そして、消費税増税が再度凍結となれば、日経平均株価は先進国の平均PBRとの比較から、東京五輪に向けて3万円を目指す展開になるのではないでしょうか。
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