消費税増税への2度目の先送り観測がにわかに高まってきました。
既視体験を覚える展開に「歴史は二度繰り返す」というヘーゲル氏の警句を思い出した市場関係者は少なくないでしょう。
実はこの故事には続きがあります。「二度目は茶番(farce)として」というものです。
多くの有識者や経済学者の考えは「今のタイミングでは消費税を上げるべきではない」が主流でしょう。
安倍晋三首相や閣僚らが世界経済について有識者の意見を聞く目的で先週16日に国際金融経済分析会合が開かれました。
そこで出席者の一人、ノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ氏は記者団に「会合開催の表向きの理由は伊勢志摩サミットに向けた勉強会ですが、本当の目的は消費税引き上げに向けた“先駆け”と語りました。
前回増税を先送りした2014年11月にも、政府は内外の有識者を招いた消費増税の「点検会合」を開きました。そこで当時の安倍首相と会談し、増税先送りに決定的な影響を与えたのがノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏ですが、同じノーベル賞を受賞したスティグリッツ氏が今会合に招かれているのも、同様の役割を果たすためなのでしょう。
前回の増税見送り後に円安・株高が進んだという過去の経験則があります。 この機に政府が増税延期に動き始めるのは、増税が見送られれば景気下支えになる上、夏の参院選を睨み、踊り場にある株価を押し上げたいとの政治的狙いがあるのでしょう。
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