中国旅行者のインバウンド消費の先輩格である香港や台湾などのアジア周辺国の販売動向を見ると、最初は有名な高級ブランドの消費が拡大し、最終的には化粧品や粉ミルクなどの消耗品の需要の底堅さが続きました。
どんな金持ちでも、高級なバッグや時計などを買い続ける人は少ないのです。そして、歴史は繰り返すものです。2015年は日本にとって「インバウンド元年」であり、2年目の今年における高級品の需要低迷にさほど驚きはありません。
観光庁は先日の会見で「特定の国の特定の状況に左右されない消費構造を作る」とし、体験型観光施設を充実させるなどして欧米を含む多様な国籍の訪日客を呼び込む目標を掲げました。
また、一般消費財(高額ではなく、安価な消耗品)では、昨年にはなかった新しい動きが今年になって確認されています。(1)ベビーケア、 (2)ヘルスケア (3)ビューティーケアの主要3カテゴリーが人気と云うのは変わりませんが、各カテゴリーで対象品目が広がりつつあります。
なお、訪日旅行者の間で人気がある消耗品カテゴリーは、購買パターンという意味で、3段階目に入ったと見ます。最初は、外見を飾る高級な服飾やバッグなどで、次に化粧品や大衆薬などの外見の美容や健康を豊かにする商品で、最後は身体の内側をケアする健康食品やサプリメントなどです。
メーカーは商品紹介サイトの多言語対応、小売りは店頭販売(POP)などの販促強化に取り組み、今年の旧正月前後から中国大陸で認知度の低い商品も頻繁に購入されるようになりました。
「安心・安全」な日本製を求める訪日外国人の欲求は普遍的と見られ、最終消費者の需要は今後も底堅いと見られます。
インバウンド関連は、まだまだ息の長いテーマです。
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