先週で2025年3月期決算は一巡し、SMBC日興証券集計によると、TOPIX採用の3月期決算企業全体の25年度純利益は会社予想ベースで前期比3.6%の51兆405億円であり、新型コロナウィルス禍の影響があった20年3月期以来6年ぶりです。
減益が目立つのは、円高、トランプ関税が影響しやすい外需企業で、業種では輸送用機器が2割近い減益で関税や景気減速が荷動きの鈍化に繋がる海運業も減益率が大きかったようです。
ただ想定された減益であり、その点ではリーマンショック時も新型コロナウィルス禍も同じ減益予想でありますが、今回は思ったほど悪くないとの感触から、国内外の証券大手では株価指数の見通しを既に上方修正し始めております。
既にこの状況を想定していた外国人投資家は4月以降、東京市場で歴史的買い越しに転じており、先日日経新聞の取材に応じた米大手投資ファンド、カーライル・グループのルーベンスタイン共同創業者とシュワルツ最高経営責任者(CEO)は「証券規制の緩和や相対的低金利により、投資家は日本に熱中している」と述べておりました。
外国人投資家の記録的な買いに対して売っていたのは個人投資家と信託銀行、個人は担保割れが酷かったので分かりますが、信託銀行はGPIFの売りです。更に、国内機関投資家のトップである生保は日本株の比率を下げるそうです。
全く逆だと思いますが、現状では外国人投資家はカーライル・グループだけでなく、フェデリティー、KKR、ブラックロックなど世界のそうそうたるファンド、アクティビストが実際に大量保有報告書に名を連ねて来ております。
世界の運用資金は不透明なトランプ政策を避け現状米国の比率を下げており、その結果が欧州株の新高値、日本株の大量買いであります。現物市場で姿を現したということは目先のみを追求したものではないと思われます。
過去にも何度もありましたが海外勢と国内勢が真逆の動き、さて今後の展開は…。
弊社へのお問い合わせは、お気軽に03-3868-2801までどうぞ。