iPS細胞(人工多機能性幹細胞)の誕生から10年が過ぎました。
私たちの体は、1個の受精卵が分裂や増殖を繰り返し、様々な機能を持つ細胞に変わることで出来ています。
皮膚や血液になった細胞を、元の受精卵のような状態に戻すことはできないと考えられてきました。その常識を覆したのが、iPS細胞の誕生でした。
山中所長らは、皮膚の細胞に4種類の遺伝子を導入する方法で2006年8月にマウス、07年11月に人間の細胞をもとに、無限に増やすことができ、体の様々な細胞に変えられるiPS細胞を作りました。
今ではiPS細胞を血液から作る方法も開発され、作製のために皮膚を傷つけずに済むようにもなりました。
iPS細胞の研究は、山中所長自身の予想を超える速さで進んでいます。目の難病の患者に移植する世界初の臨床研究が実施され、他の様々な病気への応用や実用化に期待が高まっています。
そして、このiPS細胞を使った再生医療の究極の目標は、臓器を丸ごと作ることです。2012年、横浜市立大学のグループはマウスの実験で、世界初のiPS細胞による肝臓の再生に成功しています。同様な手法で腎臓や膵臓などの「芽」も作れることも分かっています。
山中所長は「人工知能(AI)や(生物の遺伝子を効率よく改変できる)ゲノム編集などとiPS細胞を組み合わせ、新技術を開発したい」と意欲を示しています。
山中所長が12年にノーベル賞を受賞したのを機に、再生医療を進めるための政府の関連予算も急拡大し、16年度当初は148億円が計上されています。
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