日本の本格的なハイテク犯罪の第1号は、昭和56年9月に起こった「旧三和銀行の巨額詐欺事件」と云われています。
大阪の支店に勤めていた女子行員がオンラインシステムを悪用し、別の支店に開いた口座に入金があったように入力する手口でした。
犯行は世間を大いに騒がせたことを今でも鮮明に覚えています。銀行を抜け出した女性行員は操作した先の支店を回り、現金を引き出すと、その足でフィリッピンへと高飛びします。
まさに日本社会のコンピューター化、国際化を象徴する事件だったわけです。この事件を受けて、監査の徹底や社員教育などの防犯対策が叫ばれました。女性が逃亡先で語った「好きな男(ひと)のためにやった」は流行語にもなりました。
昨今の情勢を見ると、昭和期に耳目を集めたハイテク犯罪がのどかにさえ感じます。標的型メールにランサムウエア、Tor(トーア)にダークウェブ…。インターネットの犯罪に関する新しい用語をようやく覚えたと思ったら、もう次の用語が現れているといった具合で、対策を取る難しさを象徴しているようです。
日本の犯罪は13年連続で減り続けていると云っても、それは目に見える世界の話であり、ネット社会では悪の手がカモに狙いを定めています。なにしろ、国家や軍が背景にちらつく大掛かりで巧妙な犯行もあるのです。犯行を仕掛ける輩の顔は見えず、被害に遭ったことさえ気づかないことも少なくありません。
サイバーセキュリティー関連株は事ある度に物色される展開となるでしょう。
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