「銀行のほぼ全てのリテールサービスがフィンテックで代替可能になる」。―金融庁が先日開いたフィンテックの有識者会議での専門家の発言です。
「金融の産業革命」と呼ばれるフィンテック。国内銀行もベンチャーやIT(情報技術)企業との連携で新サービス開発を進めていますが、本格展開に向けて避けて通れない問題があります。既存の事業モデルというレガシー(遺産)にどう向き合うかです。
フィンテックの真骨頂はITによる徹底的な合理化です。支店やATMに足を運ぶ代わりにスマートフォンで送金したり、融資の審査にビッグデータやAIを活用したりすれば顧客の利便性は高まります。
半面、それによって浮いた従業員や全国の一等地に構えた店舗をどう活用するかを併せて考えないと「コスト増要因」になりかねません。
携帯電話やフィンテックは金融インフラの整っていない地域で爆発的に広がりましたが、これはレガシーに足を引っ張られなかったのが一因です。
日本国内のフィンテック投資額は増えていますが、フィンテックの推進には銀行内部のカルチャーを変え、あり方を変革し、新しいビジネスモデルを作り上げる段階に来ています。
組織、人材、システムなどの経営の基本部分を含め、遅滞なく変革していくことが重要な課題となるでしょう。
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