高速道路で老人が車を運転しています。すると、カーラジオから「高速を逆方向へ走っている車が1台あります。気を付けて下さい」とニュースが流れてきました。
周りを見渡して、その老人が驚きました。「なんや、1台どころじゃないで。全部こっちを向いて走ってるがな」
昔、桂文珍さんの高座で聞いた笑い話です。落語のネタになるほど有名になってしまった逆走は、実際には極めて深刻な問題です。
高齢者の運転事故が毎日のように報道されていますが、警視庁によると、昨年1年間に高速道路での逆走事故が計27件確認されています。このうち、7割は65歳以上の高齢者で、14%のドライバーは認知症だったというから、何よりまずこの方面での対策を急いでもらいたいものです。
一方、株式の世界では、人の逆をやることが成功の道だとされています。
それを端的に云い表した相場格言が「人の行く裏に道あり、花の山」というものです。
投資家は、とかく群集心理で動きがちです。いわゆる付和雷同です。ですが、それでは大きな成功は得られません。むしろ他人と反対のことをやった方が、うまくいく場合が多いと説いています。
株式相場は、上げばかりでもなければ、下げばかりが続くこともありません。相場はどこかで転機を迎えます。その転機を掴むには、周囲の環境や材料から読み取るのは、むろん大切なことですが、大勢があまりにも一方へ偏り過ぎたときなどには、この格言を思い出してもらいたいものです。
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