知り合いの大手銀行のシステム担当者と先日会う機会があったのですが、「来年の正月は返上です」と云っておりました。
彼らが今、ナーバスになっているのが来年1月1日の「うるう秒」への対応です。「地球の自転などに基づく天文時と、原子時計に基づく原子時のわずかな差を修正するため、1月1日午前8時59分59秒と9時00分00秒の間に8時59分60秒が挿入されることになっています。
正月休みで店舗は開いていませんが、ATMは稼働しており、万が一にも不具合が生じないように待機しなければならないようです。
1958年から原子時が世界標準となって以降、それまでの天文時との調整のため、1972年から数年に1回、「うるう秒」が挿入されています。
実は前回、昨年7月1日のうるう秒対応では、表沙汰にはなっていませんが、いくつかの金融機関でシステム障害が起きています。昨年7月1日は水曜日で、平日にうるう秒が挿入されるのは18年ぶりのことだった上、同時に7月15日にウィンドウズ・サーバー2003に対するサポート終了が重なったことも対応を難しくしたようです。
たかが1秒のうるう秒とはいえ、甚大な影響が生じかねません。4年前にはうるう秒調整時にオーストラリアのカンタス航空で、システムトラブルが起き、最大3時間の遅れが生じた他、日本でもミクシーなどが同様のシステムトラブルに見舞われました。
特に「うるう秒」への対応に神経質にならざるを得ないのが株式などの市場関係者です。東証をはじめとした証券取引所では、機関投資家による高速売買が一般的になっており、1000分の1秒単位で注文が飛び交います。
株式市場では、「たかが1秒」ですが、「されど1秒」なのです。
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