人工知能(AI)やIT(情報技術)の進化で、無人のトラクターが田畑を動き回り、ロボットが工場で野菜を育てる。―そんな夢のような農業の実現が目前に迫っています。
これまでは稲の収穫は稲穂の高さが株ごとに違っていたり、倒れていたりするなど作業が複雑で無人トラクターの自動走行が難しいとされていました。しかし、AIの進化で運転席に人がいないコンバインの実用化が可能になりました。
特に田畑と違い、環境を制御しやすい施設栽培は完全無人化まで秒読み段階に入っています。例えば、自動栽培の植物工場で、レタスなら育苗から収穫までの10以上の工程を行い、販売価格は3割ほど下げることになります。
農業で自動化が進む背景は2つあります。一つは働き手の激減です。農水省によると、今の状態が続くと2025年の就業者数は170万人と、2000年と比べて30%減少し、70歳以上の比率は58%と15ポイントも高まります。
もう一つが新しい技術の実現です。GPSを装備する衛星「みちびき」の打ち上げやロボットの高機能化、AIの活用など様々な専門領域で飛躍的進化が進んでいます。
環太平洋経済連携協定(TPP)では、日本を含む11か国が新たな協定を結ぶことで合意しましたが、海外産に対抗するには産業界の最新技術を農業に導入することが急務です。
今、走り出したのが人手に頼るのが難しくなった農業への最新技術の実用化です。急速に進む農業従事者の高齢化や自由化に伴う国際競争に勝ち抜くには、地道な技術革新の取り組みが不可欠です。
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