米国FOMCの結果は当初の2024年利上げ予想が、2023年に前倒しの検討という表現から、市場の想定とは少々ズレた結果となりました。FOMCメンバーの18人のうち11人が景気回復、物価水準などを考慮し少々タカ派に靡いたことから、米国三指数は下落しました。
しかしながら、CPI(消費者物価指数)が5%に上った時にも反応薄だった長期金利はさすがに1.5%後半まで上げましたが、5月の急騰時とは違い当時27ポイントまで上昇したVIX指数(恐怖指数)も、今回は多少上昇するも18ポイント止まりでした。更に金利上昇時には真っ先に売られるNASDAQはダウに比べて、S&P500とともに下げ渋ったとの感覚であります。
FRBウォッチャーの解説を聞いても、所々にマーケットを意識した発言がなされており、景気、雇用を意識しながら金融環境を徐々に正常化に持って行きつつ、株式市場には過渡な負担はかけずとの、FRBのマーケットフレンドリーな姿勢が感じられるFOMCであったと思われます。さてこれを受けての日銀の政策決定会合はどうなるか見ものです。
さて東京市場も米国安を素直に反映しましたが、こちらも日経平均に比べてJASDAQ、マザーズの抵抗が顕著でありました。FOMCは多少の予想外はありましたが、こちらはワクチン接種と感染者数、東京オリパラが関心事であり、現在当初笑われた菅総理の1日100万回接種が現実のものとなり、いい意味で市場サプライズとなっております。
各民間企業も感染拡大阻止と経済活動の早急な正常化を期待し、職場接種に大きく舵を切り、急ごしらえの仕組みゆえコストもかかりますし、自治体発行の接種権がないなどの問題にも直面しておりますが、「走りながら考える」とばかりに各社円滑な実施に腐心しております。
官だけではこうは運びませんが、これが民間を交えたオールジャパンの素晴らしいところであります。現在考えられる最善の方法で進め、どんどん改良を重ねてベストに持って行く。未来は決して暗くないと思います。
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