今週株主総会のピークを迎えますが、各資産運用会社が議決権行使の基準を厳格化しております。
世界最大の運用会社ブラックロック・ジャパンは気候変動リスクへの情報開示が不十分な場合は取締役の選任に反対する。
同じく運用会社アライアンス・バーンスタインは取締役会が女性ゼロで、任命もしない場合は経営トップの選任に反対する。
先週の東芝に対する反対票は不透明な経営に対するものでこれは論外ですが、世界の運用会社はこの気候変動、企業統治(コーポレートガバナンス)で、今後企業への圧力を更に強めて行きます。
実際に香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントは東洋製缶グループHDに対し、主要国の金融当局が設立した「機構関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」を踏まえた脱炭素関連の情報開示強化を求める議案を提出しております。
TCFDとは2015年に、気候変動が世界経済にリスクを与えることに伴い、金融市場が気候変動の影響に関する包括的で質の高い情報の必要性から、気候関連の財務情報の報告を促すために民間主導で設立されました。
あのバフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイでもTCFDに沿った株主提案が提出され、過去にはこの株主提案は悉く否決されてきましたが、今回はそう簡単には行かないようです。
また、企業統治の面では女性役員の存在です。米ステート・ストリートは日本のTOPIX500企業の女性取締役ゼロの場合、取締役上位3人の選任に反対。ゴールドマンサックスは2020年に女性取締役の基準を設定し、同年だけで500社に反対票を投じております。
東京市場の株主分布は外国人30%個人20%、更に企業の持ち合い構造の崩壊も拍車がかかっていることから、企業対応が遅れれば反対票が膨らみます。日本でも今年の株主提案はこれらの傾向が強くなりそうです。
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