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“株のソムリエ”からの勝ちの連鎖術!

FOMCのタカ派的見解に対し、長期金利は?

  

 米国FOMCの結果は当初の2024年利上げ予想が、2023年に前倒しの検討となったことから市場は驚きを隠せず、米国三指数は先週下落となりましたが、FOMC翌日にハト派で知られるセントルイス連銀のブラード総裁が、更に利上げは2023年から2022年に前倒しになるとの見解を明らかにしたことから、週末にかけて下げ足を加速させました。

 

 物価の番人であり、常に雇用を最大化するFRBの役目からも、今回のFOMCは相当意見が割れたとの報道を耳にします。先週末の当欄でも以前程FRB内部が一枚岩ではないのではないかと申し上げましたが、日本のFRBウォッチャーの第一人者である三菱UFJ銀行のシニアマーケットエコノミストである鈴木敏之氏もこの点を強調しております。

 

 鈴木氏はFOMC参加者の政策金利見通しを示す「ドットチャート」で、18人中13人が23年に1回の利上げを予想し、中央値だと23年中に0.25%の利上げを2回実施するという、詳しい内容が伝わると一昨日静かだったVIX指数も21ポイント手前まで上昇し、これがダウ大幅安のきっかけとなりました。

 

 FRBの専任事項は物価と雇用です。従って現在の物価高が気になるところですが、経済が再開し需要は増えているのに供給が追い付かない、人手が足りない訳で失業者が労働市場に戻っていないからです。

 

 労働者は現在手厚い上乗せ分を含めて、働いているときの賃金よりも高い失業保険を貰っております。その失業保険の期限が切れる9月以降に雇用環境が戻るか、その時の物価にどう反映されるか、ここがポイントと思われます。

 

市場もその辺りを悩み織り込みづらいと思われますが、米国ダウは大幅安するも、昨日と同じようにS&P500NASDAQは抵抗しております。更に驚きはこの環境で米国長期金利は大幅下落であります。

 

FRBの金融政策同様、株式市場も難しい判断が求められますが、簡単に儲かる相場なんてありません。頭を柔らかくして、「物知りな市場」が教えてくれることに耳を傾けてまいりましょう。

 

 

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