先週末の米国市場の大幅安を受けて、昨日東京市場は1200円を超える下げとなりましたが、ビビりの東京市場といったところで少々下げ過ぎですね。
その前に米国市場の先週金曜日は、日本のメガSQに当る「クアドルブル・ウィッチング・デイ(4人の魔女の日)」と言われる特殊な日で、この4人の魔女とは、株式先物指数、株式指数オプション、個別株オプション、個別株先物のことで、これら全てが満了する日で、この魔女たちのおかげで大荒れになったものと思われます。
しかも下げの要因に上げられたセントルイス連銀のブラード総裁の22年に利上げが前倒しになるのとの意見は、あくまでもインフレが加速すればの条件付きの話で、よく考えれば当たり前の話であります。要はFOMCで2024年利上げが2023年に前倒しという話の直後に出たので、追加的悪材料となってしまったというところであります。
昨日も申し上げましたが、米国市場は経済再開で抑えられていた需要が爆発し始めているにもかかわらず、供給する労働市場はコロナ前の水準に800万人ほど届いておりません。であれば当然人件費は高騰し物は値上がりします。
更に、連邦政府、各州政府から通常賃金よりも手厚い失業給付金が配られていれば当然労働意欲は起こりません。この給付金が切れるタイミングで、労働者が戻り、雇用環境の正常化が進んだ時点で始めてインフレかどうかが判断できるのではないでしょうか。パウエルFRB議長がしつこく現在の各インフレ指数が一時的という根拠はここにあります。
今回は5月の長期金利の急騰による株式市場の急落と異なり、先週末から昨日まで長期金利は逆に大幅下落であります。この辺りも市場は正直に先を見据えているのではないでしょうか。
株式市場とは投資家心理を最適化する集合体です。しかしながら心理のブレから時に遠回りも強いられます。その程度に考えていればよろしいかと存じます。
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