7月27、28に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事録が公開されまして、年内に債券購入ペースを減速するとの見方で大半の参加者が一致しました。その中で「経済・金融環境に基づくと、向こう数カ月縮小が正当化される可能性が高いと一部の参加者が言及」。また一方では「他の幾人かは、資産購入ペースの減速は来年の早い時期に適切となる公算がより大きいとの認識を示した」と綴られております。
単純に議事録を読むと、どっちともとれるような表現もありFRBがマーケットを十分意識していることが伺えますが、FRBが最も重視しているのが雇用環境です。その意味では7月から失業給付金の期限が切れ始めておりますので
9月、10月発表の雇用統計は重要視されます。
ただ、ここへ来てFRBが気を揉んでいるのがデルタ株による感染再拡大です。米国のGDPの7割は個人消費ですが、その個人消費の指標の一つであるミシガン大学消費者信頼感指数の8月分速報値は70.2と2011年以来10年ぶりの低水準で、7月の速報値81.2から大幅に低下し、ここ50年で3番目の大きな落ち込みとなりました。
3月に長期金利が急騰した時も、4月のCPIが2009年以来の大幅な上昇をした時もFRBの判断は一貫して一時的なものとしておりましたが、直近金融緩和の負の一面として、住宅価格の上昇や食料品価格の上昇なども指摘され、プラス、マイナス両睨みであり、ますますその判断は困難を極めると思われます。
来週の米ワイオミング州で開かれる国際経済シンポジュウム「ジャクソンホール会議で、パウエル議長が現在までの経済統計を踏まえ景気認識、テーパリングの道筋をどう捉えるかが注目点ですが、この話題は既に半年前から議論されその都度押しちゃあ買われの連続であり、米国市場は相当抵抗力を持っているものと思われます。
問題はPER13倍を切るほどの割安東京市場ですが、企業業績は文句なしでも、懸念の感染者増が未だ払拭されません。現状ではフットワークを軽く材料株で小遣い稼ぎですが、9月以降の種蒔きの時期であることは間違いないようですので、お見逃しなく。
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