先週末、トヨタ自動車は9月の世界生産台数を4割減らすと発表しました。90万台弱の計画を50万台に引き下げ、部品メーカーの多い東南アジアでの新型コロナウィルスの感染拡大が響き、部品調達が停滞、国内外の工場が休止を迫られるとの報道です。
日経新聞の1面トップの記事に東京市場は大きく反応、トヨタ自動車の大幅安は他の自動車メーカーに波及し、さらに自動車部品株にも波及しました。自動車産業は裾野が広く特に日本の産業構造の縮図ともいえる形態であり、更に機械、素材にも及び、市場センチメントを大きく下げました。
トヨタ自動車は先日の発表で21年4、6月期、前年同月比6倍にあたる8978憶円と、市場予想を大きく上回る連結純利益を上げておりますが、その時も発表後株価は大きく売れております。
しかしながら、今回のこの減産は既に決算短信に記載されておりますし、それに加え、各シンクタンクのトヨタ自動車に対するレポートでも想定に範囲との判断が既に出されております。
警戒されている材料も、市場に出てしまえばおしまいというのが株の世界です。決算短信にしても、株価レポートにしても、すでに機関投資家サイドは十分精査しております。すると今回市場をここまで混乱させたのは、付和雷同した個人投資家かもしれません。
東証から発表される、現物市場での投資主体別売買動向を見ると8月に入って1週、2週と明らかに個人投資家売りの外人投資家買いの構図であり、ヘッジファンド系のホットマネーは既に買いに回り始めているようです。
今週は悪役となったトヨタ自動車の株価が底固めに入れるか、さらにその原因となっている感染拡大が何処でピークアウトできるか、更にジャクソンホール会議での方向性に注目が集まるでしょう。
いずれにしても未だ大きな流れは出ずらい、調整未了ゆえ個別材料株です。期日明けの東証マザーズに動意付く銘柄が出始めております。
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