8月に底入れした東京市場は日経平均、TOPIX、ともに底入れ後僅か3週間で30数年ぶりの高値更新となっておりますが、投資主体別売買動向から察しますところ、買い方は外人投資家、売り方は個人投資家でることが直近の傾向として見えてまいります。
9月に入り、個人投資家が1兆円強売り越しておりますが、対してあまり個人が参加していない先物市場を加えると、外人投資家の買い越し額は2兆円を上回り、実に10カ月ぶりに大きい額となります。これだけの金額が買ってきている訳ですから、日経ダブルインバースの買い残膨張、高水準の空売り比率を尺度としている売り目線の方は十分ご注意いただきたいと存じます。
そしてこの日経ダブルインバースの買い残は、9月3日と10日の発表で爆発的に膨張しておりますので、昨日の急落でも回転は効いておりません。買い残でも売り残でも膨張した節目で株価は一時止まることが多いので、本日以降の行方次第であります。
その行方を左右する中国の恒大集団ですが、第二のリーマンショックとの危惧を唱える向きもありますが、仮に破綻したとしても取引している投資家、金融機関は中国国内に限定されますので、日本を含め欧米などに直接的影響は軽微であると思われます。
無論、恒大集団に純投資しているファンドは存在し、日本でもGPIFが幾ばくか投資しておりますが、金融システムに影響の出るような金額ではありません。ただ、中国国内ではこの処理をどうするか、場合によっては今後尾を引く問題になる可能性はあると思われます。
習近平主席の唱える「共同富裕」に沿えば、金持ち優遇と捉えられる資金援助はしにくいですし、かといってGDPの2%、33兆円に及ぶ不良債権を放置し、来年早々の北京オリンピック前の経済失速は避けたいのが本音です。政治と経済を考慮し、今後中国市場は要注意です。
益々東京市場に資金が集まり易くなって来そうです。
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