いよいよ明日、自民党総裁選であります。実質的に我が国の総理大臣が決まるわけですから、それなりの緊張感?もありますが、ここへ来て益々混とんとしてまいりました。
事前予想は河野規制改革担当大臣が断然有利との報道でありましたが、現状は議員票で岸田前政調会長が上回り、高市前総務大臣が猛然と追い上げる形となっており、また野田幹事長代行は少々厳しい状況は変わりません。
誰がマーケットに対しては適任か、筆者の考えを述べれば間違いなく高市氏であります。何と言っても高市氏の積極財政には驚きを隠せません。CPI2%達成まではプライマリーバランスの黒字化を棚上げするという、財務省に対する宣戦布告とも思われる発言にはマーケットは大喜びです。
未だデフレを脱していない日本において、2%達成など程遠い目標と思われますが、そこまで積極財政を打つことは、恐らくバブルになるほどの財政出動に膨れ上がると思われますが、ただ税収も大きく伸びるはずです。
岸田氏は新自由主義から脱し、分配重視で中間層の所得倍増を謳っており、1960年の池田勇人氏の「国民所得倍増計画」になぞっていると思いますが、当時の高度経済成長時とは全く環境がちがいます。共産圏じゃあるまいし、新自由主義だから所得は伸びると思いますし、分配重視で中間層に合わせたら、稼げる層の労働意欲減退で伸びるものも伸びないと考えます。
また河野氏は年金問題で味噌を付けましたね。年金と社会保障をごっちゃに考えておられると思いました。経済学でいう「ティンバーゲンの定理」ですが、年金制度改革と謳っておりますが、基礎年金でも結果的に年金は年金のみで考えればいいことで、特に社会保障である生活保護と合わせて考えれば当然効率は悪く増税に結び付くと思います。
ただ、野田氏を含めて四名とも当初は積極財政で臨むようなので、皆さん自民党である以上スタートダッシュはあまり変わらないかと存じますが、それよりも興味深いのは安倍元首相の動きですね。石破氏が付いた河野氏外しをどう企むのか、深謀遠慮からどう立ち回るのか注目かと存じます。
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