先週金曜日、ザラ場中突然のニュースが流れました。菅総理がコロナ対策に全身全霊を注ぐため、自民党総裁選挙には立候補しないとの報道が流れました。それまで時期が来れば立たせてもらうとの発言をしておりましたので、ちょっとしたサプライズニュースでした。
それを受け、東京市場は500円高の急伸であり、大きく好感しております。ここのところ東京市場の頭を押さえていた要因は一つには新型コロナウィルスの感染動向であり、依然として水準は高く、安心できるレベルではありませんが、全国の中でも先行性の高い東京都の新規感染者数が鈍化してきております。
更にもう一つの大きな要因が菅政権の支持率の低さです。この支持率で10月21日衆院議員任期満了が近づく中で総選挙に突入すれば、自民党は相当議席数を減らす危機感があり、特に当選回数の少ない議員にとっては死活問題でありましたが、菅総理辞任により新しい総裁の下、総選挙となる訳で自民党にとっては起死回生の一大事であります。
さてこの一件を受けて株式市場は解散・総選挙は買いという株式アノマリーが生きてまいります。過去の経験則で、衆院解散日から投票日にかけて株式市場は上昇するというパターンです。更に今回は内閣への支持率の低空飛行から、現状立候補を表明している候補者も皆大胆な経済対策を唱えており、これも選挙戦には追い風となりそうです。
企業業績は好調でありながら、株式市場の頭を押さえていた二つの要因に改善の芽が出た以上、当欄で再三指摘の通り東京市場はこれから欧米市場を追いかけ上昇して行くものと思われます。
新総裁については先のことで、予想などは各マスコミ等に任せますが、菅総理については筆者の個人的意見としては、こんなパンデミックの中誰がやっても批判されたと思いますが、アピール力少々欠ける愚直な総理として頑張られたと思います。
小泉進次郎氏が「こんなに仕事をした内閣はない」と言って、涙を流されたのは印象的で嘘はないと思います。
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