2018年、フランスは58基ある原子炉のうち14基を2035年までに閉鎖し、エネルギー生産の原発依存度を7割から5割に下げること表明しておりましたが、
昨日の日経新聞の記事に、マクロン大統領が小型原子炉を2030年までに複数導入する発表をしたとありました。
記事によると、1300億円を投じて環境負荷の低い燃料として水素生産を後押しするとし、もともと原子力に強みのあるフランスは2030年までにグリーン水素の先駆者になりたいとの意向のようです。
この発電規模の小さい小型モジュール炉は通常の原発に比べて出力は小さい原子炉ですが、小型で熱を外に逃がしやすく、事故時に自然に冷却でき安全性に配慮されておるようです。
設置工事の期間も費用も通常原発の勝るようですが、スケールメリットが効かない分発電コストの面では劣り、使用済み燃料や廃炉後の放射性廃棄物が生じるのは同じだそうです。
しかしながら、カーボンゼロが叫ばれる中フランスのこの決断は、CO2排出量の少ない天然ガスが冬の需要期に向けて更に値上がり続けていることから、CO2を出さずに安定した電力を作れる原子力が再評価されているものと思われます。
これは年間25兆円もの燃料の純輸入国である日本にとっても他人事ではなく、喫緊の課題であります。2011年福島原発事故以来、原子力というと危険な扱いとなってしまいましたが、長期的カーボンゼロの目標を掲げることは全く異論はありませんが、現状のエネルギー価格の上昇等に、資源の乏しい日本は原発、再生エネルギー問わず、あらゆる手段の導入が不可欠であります。
そこに早速原発推進派である甘利幹事長が予想通り動いてまいりました。運転開始以来40年経過した原発は、小型モジュール炉に建て替えるべきだとの主張をされましたが、上記のような日本のエネルギー環境を考えれば、フランス同様至極当然の発想であると存じます。
さて株式市場も個別銘柄に資金が向いておりますが、既に国策銘柄は動意付いており、日経平均がもたつく中で個人投資家にとっては良い相場展開です。
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