悪材料は重なります。中国からは恒大集団の債務に続き、本日はファンタジア・グループが債務返済の繰り延べの報道が入り、改めて中国不動産の闇の部分が炙り出され、週末の国慶節明けがどうなるか不透明感を増しております。
更に米国ではFRB理事のクラリダ副議長の問題が再燃しております。同副議長はパウエルFRB議長が政策行動を講じる可能性を発表する前日に、債権ファンドから株式ファンドに100万ドルから500万ドル規模の資金を移動させております。
ボストン連銀のローゼングレイン総裁、ダラス連銀のカプラン総裁と金融取引で立て続けに辞任していることから、緩和策を直接手掛ける当局者による「利益相反」との批判が出る中でのクラリダ氏の行為は火に油です。
クラリダ氏側は事前に計画されたリバランスだと説明しており、またFRBの倫理担当者から事前承認を受けているとしておりますが、この一連の経緯がインサイダー取引という疑念を生じ、対策を講じなかったパウエルFRB議長の資質にまで議論が及んであります。
また、コモディティ価格の高騰も危険水域であります。純資源輸入国である日本の株価の下落率が殊更大きいのはこの辺に起因しているのかもしれませんが、欧米ではインフレ懸念が叫ばれる中で景気にブレーキがかかれば杞憂と思われますが、最悪のスタグフレーションを叫ぶ輩まで出てきております。
昨日テクニカル的には底値近辺かと申し上げましたが、本日あっさり昨日の安値を更新いたしました。ここまで重なる悪材料では、テクニカル破りも日常茶飯事となりがちですので、今後十分注意して取り組んでまいりたいと存じます。
国内に目を向けると、岸田新総裁も早速成長より先に分配を強調しているようで、日本は失われた20年と揶揄される通り、先進国の中で群を抜く低成長国であります。何を勘違いされているのか、まずは成長が必須であり、成長しなければ分配するものもございません。
岸田新政権には期待しているにですが、念願の総理大臣になって舞い上がっているのでしょうか、成長から分配、経済のイロハであると思うのですが…。
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