菅政権がスタートした昨年、当欄でも過去に経験したことの無い史上最悪のパンデミックで、こんな難しい時期の総理大臣はそうとう難しい舵取りを迫られるでしょうと申し上げましたが、今回の岸田政権のスタートは、幸いにもコロナウィルスの感染者は激減しておりますので、如何に今後の経済を立て直せるかが手腕を問われると思われます。
現状党三役が決まり閣僚も決まり始め、岸田内閣の顔ぶれが揃いますが、巷では安倍元首相の傀儡政権だとか、3A(安倍、麻生、甘利)内閣だとか言われております。岸田氏のその風貌が地味であることと、人の話を聞く名人などの自己評価から、菅前首相と変わらずアピール力に欠けるのではないかの心配事も事欠きません。
筆者もその心配を持ちますが、党三役の甘利幹事長は結構剛腕なところがあり、今後の補正予算も相当大きく出すと既に豪語しておりますし、三役に一角に高市氏が入ったことはいいことだと思います。
それなりに若手も起用し、女性も起用していること、更には初入閣が13人もいることも、恐らく一時外人投資家から失望されたという報道もありましたが、顔ぶれが決まってくれば評価も変わってくるものと思われます。
さて、株式市場を取りまく環境は外部要因が随分と流動的になってきております。米国のインフレを見てもコモディティ価格の上昇が加わり読み辛くなってきており、中国の恒大集団の債務問題も、子会社の株を国有企業に売却したことから年内は何とかなっても、解決の道筋はまだ遠い状況には変わりません。
このような状況であるからこそ、岸田内閣は国内では少し地味でも安定的に議会運営し、速やかに政策発動をしてもらいたいと存じます。その意味で先週末は日経平均、TOPIX、は大幅安でしたが、東証マザーズは高く引けており、政策に沿った材料株が飛ばしております。
外部環境を目配りしつつ、岸田新政権政策目玉銘柄に資金は向かうと思われ、所謂材料株の一本釣りであり、「森より木を見る」相場になってまいりそうです。
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