FOMC通過後の米国市場は、それまでパウエル議長の会見を警戒した下落から一転、上昇に転じました。公表された声明文からは、警戒を示しつつも株価が示す通りハト派色が感じられたように思われます。
会見の中でパウエル議長は現在ディスインフレが進行中との認識を示しました。ディスインフレとは物価上昇率が低くなり、インフレの進行が抑えられている状態のことで、労働市場が依然タイトゆえこれまで多少景気を犠牲にしても引き締めを継続するという姿勢でしたが、この文言からは物価上昇がピークに達し利上げサイクルの終了が視野に入って来たものと思われます。
米国市場はイベントを通過し、予想以上にしっかりの展開ですが先週申し上げました米国市場のアノマリーも、3連勝(昨年のサンタクロースラリー、今年最初の5日間、1月の月足)となりましたので、今後乱高下はあるでしょうが年末の向けての上昇は経験則からすると100%となります。
筆者も決して当たり屋などと申しませんが、理屈で詰める偉い先生方の予想も時として外れてしまうのも、「理外に理」で動く、常に人知を超越するのが株式市場だからでしょう。インフレがピークアウトと申しても以前高原状態、リセッションさえ囁かれる中でのこの市場の強さ、正直な株価が一番正しいのは歴史の常であります。
さて、東京市場も決算ラリーが始まっておりますが、内容の良し悪しよりも株価がどう織り込むかが全てであります。好決算で売られ、悪い決算で買われ、とよくあることですが、騙しはあれども株価が一番正直です。
昨年ですと、ネガティブサプライズの下方修正には非常に厳しく、3日連続安などざらにありましたが、今回は現状まで主力企業の決算発表を見ても意外と健闘しているように思われます。ここでも理屈ではなく、「相場は相場に聞け」のようです。
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