東京市場はキャッシュフローが安定しているバリュー株が物色の対象になっております。日本製鉄を筆頭とした鉄鋼株、商社株などが中心で、東証が低PBRの上場銘柄に構造改革を求め始めたからです。
昨年のプライム、スタンダード、グロースの市場区分の見直しを行いましたが、効果的な点を見いだせず、市場再編の改善点などを検討する「フォローアップ会議」でプライム、スタンダード市場に上場する企業に対して、継続的にPBR1倍を割れている企業には、改善に向けた方針や具体策を、その進捗状況を含めて開示することを2023年春より強く要請することを明らかにしました。
手っ取り早い策が自社株買いです。最近では歴史に残る大規模な自社株買いを「シチズン時計」が発表しましたが、実に発行株式数の25%の額で、これにより「シチズン時計」のPBRは0.73倍から0.99倍に上昇します。
現在東証上場企業の半数がPBR1倍割れであり、今回の東証の一喝は上場企業が抱えるキャッシュ100兆円が今後自社株買いなどの株主対策という形で市場に投入されてまいります。
昨年の自社株買いは9兆2000億円、今年は軽く10兆円を超えて来るものと思われ、更なるオーバーシュートも期待されます。直近の売り勢力である信託銀行の売り越しを上回る買い余力であり、買い側に転じた外国人投資家と合わせ今後の一大買い勢力となって来ると思われます。
尚、東証では暫定プライム上場企業という別の問題も存在し、こちらも対応必須でありますが、こちらはまた日を改めて臨みたいと思います。
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