米国市場は今晩の消費者物価指数(CPI)の発表を控え、戦々恐々の状態であります。というのも先々週の強い雇用統計以降、FRB理事たちの発言は明らかにタカ派に傾注しており、今から思えばパウエル議長が一番ハト派かと思われるほどの傾きようです。
市場関係者の中にも追随する者も見られ、コア指数の重要な構成要素である中古車価格が前月比で跳ね上がったことから、バークレイズのエコノミストは財のインフレが再び高まったとし、フェデラルファンド(FF)金利のターミナルレートを現在のFRBの誘導目標4.5-4.75%から5.25?5.5%に引き上げました。
更に、マクロ・ハイブのシニア・マーケット・アナリストのドミニク・ドゥオフルコー氏はそれよりも高い8%を主張し出しており、ここまで来るとFRBの腹の内は何処にあるのか、株高を敵と見なしているのかとも疑いますが…。
日本経済にも財務省御用達のエコノミストはわんさかおりますので、米国でもそのような輩がいても全くおかしくありません。
ただその傍ら、米国でも日本と同様に個人投資家の買い意欲が回復しております。当欄でもよく使う米個人投資家協会(AAII)のブルベアレシオは、2022年4月以来の12.5と強気転換しており、更に向こう半年間の株式相場の弱気派は25%と2021年11月以来の低水準です。
相場の神様はどちらに微笑むか?今晩の米消費者物価指数(CPI)は短期、中期両方の視点で分析してまいりましょう。
さて東京市場は決算発表も終盤でありますが、デイトレーダーによる忙しいイベントラリーが終わり、出遅れていた機関投資家の太い資金が動いてまいります。個別銘柄でもこれからの動きが注目であり重要です。
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