無事中央銀行の週を通過し、米国は0.25%の利下げに対し日本の金融政策は変わらずとなりました。米国で公表されたドットチャートでは、年内2回の利下げに加え2026年、2027年に1回ずつの利下げが示唆されたことをマーケットは好感、先週末主要三指数が全て高値更新となりました。
米国の利下げで米ドルは売られるとの事前の予想に反し若干のブレはありましたが、結局1週間を通して為替はドル高円安で推移しました。今後の米国への投資などドル需要を考慮すると早々にドル安にはならないかと、日銀の政策変更は今回ありませんでしたが利上げ方向は変わらず、為替もしばし膠着状態かと思われます。
今回はFOMC前までは雇用に関する指標に悪いものが目立ち、失業保険申請件数も増加傾向をたどっておりましたが、FRBの利下げが決まった翌日に発表されたフィラデルフィア連銀景況感が大幅改善、失業保険申請件数も大幅減少とわざと数字をいじっているような展開でした。
雇用の指標はぶれが大きいことが知られておりますが、各指標の下振れは単なるブレの延長だったのかもしれません。更に米国は現状PERなどのバリュエーションが割高であると懸念されますが、AI革命などの成長性を織り込み始めているものと思われます。
更に需給面では、金利が下がったことにより現在過去最高にまで増え続けた株式買い付けの待機資金MMF(マネー・マーケット・ファンド)の運用資金7.3兆ドル(1068兆円)がマーケット回帰を起こす可能性があります。
現在MMFの平均利回りは4.3%で、ここ1年で1%低下しました。今回の利下げから平均利回りは更に低下して行きますので、株式市場にとっては長期的な追い風をもたらすものと思われます。
かたや日銀は7兆円の保有ETFの売却を決定し、市場は一時800円安まで売られましたが、市場のかく乱を回避すべく100年以上時間をかけて売却するとの内容で、少々先走ったようです。あまり方針変更はないですね。
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