連日高値を更新している米国市場もさすがに高値警戒感。FOMCでの利下げ決定後の経済指標は強いものが目立ち、一昨日のパウエル議長の講演でも高い株価への懸念が示され、政府のFRB関与についても中銀の独立性への脅威を示しました。
ミクロ要因ではAI、データセンター関連は派手な材料が続きます。昨日はエヌビディアがインテルへの大型投資を発表しましたが、そのインテルは更にアップルに出資を求める交渉をしているとブルームバーグ通信が伝えております。
インテルのリップブー・タンCEOはAIに向けた半導体開発競争で苦戦している同社の立て直しの一環として協力関係を確保しようとしておりますが、インテルには米国政府も出資を決めておりますので、官民挙げての構図が出来上がりつつあると思われます。
この関連は昨日も当欄にて触れましたが、既にバブルを危惧する向きもあるようですが、現実にこれだけの投資額が動いていることを考えると杞憂と見てよろしいかと思います。
それにしてもソフトバンクグループの孫正義氏もこの部類に入る日本では希有の経営者ですが、これだけ巨額の投資を迅速に行うところが米国ビッグテック企業の素晴らしいところです。
米国のマグニフィセント7の時価総額は2150兆円、日本の上場企業3800社が1000兆円、米国は7社のみでこれだけの巨額になりますが、内部留保となると日本企業の550兆円に対しマグニフィセント7は90兆円となります。
ここから見えるものは、稼ぐ力に群を抜いている米国企業は稼いだ資金を攻撃的に設備投資、株主還元に使っており、日本企業は稼いだ金を保守的に、将来不安への備えとして貯め込んでおります。
この資金の使い方を見ても、如何に米国企業が成長し続けられるかが如実に理解できます。それでも改革に目覚めた日本企業、東京市場の今後は大いに期待できます。
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