スマートフォンを病気の治療に役立てようという取り組みが急速に進んでいます。多数のベンチャーや大企業が入り乱れて、スマホ対応のウエアラブル治療装置の開発競争を展開しています。
先陣を切ったのは、あるベンチャーが開発した慢性疼痛治療器。スポーツ用のバンドに電極を取り付けた単純な装置です。
これをふくろはぎに巻き付けて、パルス電流で神経を刺激すると、脳に伝わって痛みを和らげる物質の分泌を促します。スマホと接続でき、治療履歴などが記録できるようになっています。
しかし、スマホ対応のウエアラブル治療装置の本命は「ウエアラブル人工膵臓」で、糖尿病患者がターゲットです。特に「1型」と呼ばれる児童期に発症する糖尿病では、ほとんどの患者がインスリンに依存する生活を余儀なくされます。
人工膵臓は血糖値を常時モニターして、高くなればインスリンを、低くなればグルカゴンを注入する機能を備えた装置です。
開発中の人工膵臓は、スマホにデータを自動的に転送し、専用アプリで状態を常にモニターできるようになっており、異常があれば病院や医師に状況を自動配信することもできます。
すでにFDA(米食品医薬品局)に医療機器として申請を出している会社もあり、早ければ今年にもOKのサインが出るでしょう。日本での申請は残念ながらまだ行われていませんが、そう遠くない時期に承諾となるのではないでしょうか。
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