かつて世界一の漁業大国だった日本の水産業は、残念ながら斜陽化の様相を呈しています。そのテコ入れのため、2018年12月に改正漁業法が公布されました。
漁獲量などの規制強化と漁業許可制度や漁業権などの規制緩和が併存する巧みな管理手法で、成長産業化を目論む政府の「水産改革」が早晩本格化します。
この改正漁業法では、「TAC(漁獲可能量)制度」のもとで、漁獲量規制魚種の増幅、TAC制度を船舶ごとに割り振り、割り振り量を超える漁獲を禁止する制度の導入や密漁への罰則強化が盛り込まれています。
片や、漁業許可制度の見直し、漁業権制度の見直しによる養殖漁業、沿岸漁業の規制緩和、漁協改革なども組み込まれました。
水産業を大別すると、天然の魚介類を捕る「捕獲漁業」と魚介類を飼育して出荷する「養殖」に分かれます。
国連食糧農業機関の世界統計によると、昨今の捕獲漁業の生産量は中だるみの状態ですが、養殖の生産量は上り調子です。
現在は、捕獲漁業と養殖の生産量はほとんど一緒ですが、遠くない時期に逆転する見通しとなっています。養殖が増えたことで、世界の水産業生産量も、2010年から2017年までに19.5%の成長を遂げています。
水産業はテクノロジーとも深く関わっています。海上の通信インフラが十分に整えば、IT企業の提供システムを連携し、漁業にイノベーションを巻き起こす可能性は大です。
漁業とITシステムが結びついたものは「漁業テック」とか「スマート漁業」と呼ばれていますが、将来は漁船にセンサーを取り付けて細かなデータを収集し、「魚を探す」「魚を捕る」をスマホアプリで自動化するシステムや船舶の自走操舵、AI活用による半自動化漁業も実現しそうです。
このように水産業は世界的に見れば「成長産業」であり、2019年は「水産業改革元年」になるでしょう。
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