消費税率8%から10%への引き上げに合わせて政府が実施するポイント還元策に対し、業界で不満の声が上がっています。
還元対象が「中小・小規模事業者」の扱う商品やサービスに限られるため、除外される大手のスーパーやドラッグストアなどが不満を爆発させています。
ポイント還元策は消費税増税後の景気対策とキャッシュレス決済の普及促進が狙いで国が財源を賄います。
10月の増税から9か月間と期間限定ですが、中小の小売店や飲食店などでクレジットカードや電子マネーを使って買い物をした人に、購入額の5%分を還元します。コンビニや外食などのフランチャイズ店も「中小」扱いとなり、2%ながら還元を受けられます。
中でも、大手チェーンの直営店とフランチャイズ店は2%で、中小小売店は5%でポイント還元が変わるという施策は、消費者から店舗の見分けがつかないという問題も出てきています。
業界側が特に懸念するのは、対象となる中小事業者の線引きです。中小企業基本法では小売業なら「資本金5000万円以下か、従業員50人以下」が中小扱いとなっています。しかし、資本金が小さくても売り上げ規模の大きい有力企業は少なくありません。
大手企業が、対抗策として値下げに動けば逆に中小店の経営が圧迫され、デフレも加速しかねません。
さらに、今回の制度は都市部や栄えている地域に効果が限定され、地方の小さな商店が並ぶ地域では全く還元を受けられないと云った状況も想定されます。
詳細な制度構想はこれからですが、腕ずくで事を進めれば混乱と違和感の増殖は必至です。夏の参院選を見据え安易に実施を決めた政府・与党の責任も問われることにもなりそうです。
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