大統領就任と同時にメキシコ、カナダ、中国には関税をかけるとディールを仕掛けておりましたトランプ大統領ですが、2週間関税は出ずアメリカ国民のことも考えたのかと甘く考えておりましたら、突然3カ国同時に発動しました。
週末に事が起こると最初に開くのが東京市場で、今回も世界で最初のショック安が直撃しました。寄り付きから売られ1000幅を超える下落は戻りらしいところもなく、昨日は1052円安と惨憺たる状況でありました。ザラ場、米国市場の夜間取引でも主要三指数の先物は2、3%売られている状況では致し方なしといったところであります。
東京市場に至っては少々大げさな反応にも思われましたが、東京市場の後始まる米国本市場の下落も先んじて織り込んでいる展開かと存じます。
トランプ大統領がどこまで突っ込むのか不明ですが、関税をかけられた各国は対抗措置を取る方針を示していることから、まさに貿易戦争の様相であります。
根本はアメリカファーストに基づいての発動でしょうが、結果的に米企業の収益に打撃を与えインフレ圧力を生じさせ、米国の利下げへの期待を打ち消し、カナダドル、中国人民元などの通貨は更なる下落になるでしょう。
対抗措置として中国はWTOへの提訴に出ましたが、こちらは本格的貿易戦争へ移行というよりも、恐らく多少の時間を要し落としどころを探って行くものと思われます。
米国としてもメキシコ、カナダ、中国にかけた関税による返り血は決して小さものではないのでそのまま長きに渡り続くとは思えませんが、双方の次のアクションが起こるまでは半導体株を含めテーマ株不在の中、リスクオフは続くかもしれません。
東京市場は決算発表が本格化しますが、イベントトレーダーの資金も活発に動きます。逃げ足も速いことから思わぬ乱高下も付いてまいりますので注意も必要です。現状好調な内容が報告されておりますが、決算の中身はしっかり精査しておいてください。こういう地合いだからこそ時間差で買われて来るものと思われます。
弊社へのお問い合わせは、お気軽に03-3868-2801までどうぞ。