市中に出回るお札の量が増えています。
日銀統計によると、日銀券発行高の前年同月比伸び率は昨年11月時点で6%強で、約13年ぶりの高さです。昨年7月ごろから勢いが付き始めています。
マイナンバーにせよ、相続税強化にせよ、今まで見えにくかった部分に光が当てられ、お国から懐を捕捉されるのを嫌っているのでしょう。
今のように預金金利がほぼゼロの時代は、わざわざ銀行まで出向く必要もないとの判断が働きやすいものです。経済学ではこれを「シュー・レザー・コスト」と呼びます。「靴の底を減らす価値もない」という意味合いのようです。
昨年末の消費税の軽減税率論議で、税額を正確に記すためのインボイス(税額票)導入が盛り込まれたことも人々の現金選好に影響してきます。
メディアの議論は軽減税率の対象を巡る線引きに集中しましたが、実は2021年のインボイス導入で合意したことの方が経済への影響はずっと大きいのです。
早い話、今までは消費者から預かっていた税金をちょっとごまかして納付してもお目こぼしされていました。しかし、インボイスの導入後はガラス張りになってしまいます。
時ならぬ現金の伸びが「国からの監視」を逃れることと底流でつながっているなら、明るいところを嫌うマネーの特性を図らずも映し出しているのでしょう。
金融テクノロジーとインターネットが共鳴しあう今の時代、ビットコインやフィンテックに注目が集まる理由も、案外こんなところにあるのかも知れません。
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