日銀の資金循環統計によると、個人金融資産は2018年第2四半期(6月末現在)で1848兆円となりました。
2012年9月末は1569兆円だったので、アベノミクスが始まった頃から279兆円も増えました。このうち元本の増加分は116兆円で、株式や投資信託など金融商品の上昇分が162兆円を占めています。
統計を精査してみると、時価の増加分162兆円のうち、上場株は82兆円、非上場株や50兆円、投資信託は10兆円などとなっています。
さらに資金の流出入を調べると、個人はアベノミクス下で株式を24兆円も売り越しています。塩漬け株が値上がりしたのをラッキーと捉え、手放した個人投資家が多くいたのです。
株式を売却したお金は普通預金に流れたことが分かっています。アベノミクス下で普通預金は119兆円増え、440兆円にも膨らみました。
今や普通預金は個人金融資産の23.8%を占め、定期預金の23.6%を上回って個人マネーの最大の保管場所に成り下がっています。
上場株と投信は合わせて10.1%に過ぎず、米国の32%に比べて大きく見劣りします。
株式の保有者を増やすには、投資家層の若返りや、株式などの生前贈与の際の税制改正など前向きな税制優遇策を整えることが重要です。
証券界で従事している身としては、投資から貯蓄への資金逆流は絶対に防がなくてはなりません。日本経済の活性化に不可欠な中長期的なリスクマネーを確保するため、官民一体となっての努力が必要でしょう。
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