株価と経済の乖離がちょくちょく話題を集めております。以前当欄でも何回か取り上げておりますが、ITバブルなどを参考にバリエーションから見てもバブルとは言いがたい、また、バブルを生みだす人間の心理的などもテーマとして取り上げました。
そんな状況の中で日銀の通貨供給量、マネーストックが発表されました。マネーストックは現在市場にどのくらいの資金が供給、流通しているかの指標で、M1、M2、M3、広義流動性の四つで構成され、その代表的なものがM3であり、金融機関を除く企業、個人、地方公共団体などが持つ現金、普通預金、定期預金といったマネーの残高の合計です。
そしてこの数字の六月の伸び率が統計開始以降最高となり、新型コロナウィルスで企業の売り上げも個人の所得もマイナスで大幅な景気悪化のなか、手元資金だけは潤沢にあるという、従来の危機とは異なる緩和マネーの急膨張が実体の数字で裏付けられました。
金額ベースではこの六月の伸びは前年比5.9%増の1442兆円と、これも統計開始以降最高の額であり、リーマンショックの時でも1、2%ぐらいの伸びですから、かなりの大きさです。
この莫大な資金は設備投資など実体経済を十分に刺激しているわけではありません。しかしリーマン時のように金融機関がさほど痛んでいるわけでもないのであれば、この資金はどこに向かうでしょうか。
経済再開とはいえ人、モノ、金の動きは以前とは全く様相が違います。消費、投資が元に戻ることは考えにくい、とすれば緩和マネーは実体経済よりも資産市場に向かっていくでしょう。
すなわち、ここからがバブルに育ってゆく可能性が色濃いのではないでしょうか。
未知のウィルスによる急落から前代未聞の戻り相場へ、そして株式市場はさらなる未知の領域へと進んでいくかと存じます。
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