筆者もこの地に勤務し早42年の月日が経過いたしましたが、長く居ればそれなりに人脈も広がり、同年代の古き友人たちは、各組織の役員クラスに籍を置くようになり、それなりに出世しているのが現状であります。
証券会社から運用会社、更に調査会社まで千差万別ですが、その友人たちの部下にあたる、現在第一線で働くファンドマネージャーの意見を、上司である友人からよく聞きますが、正直にこの相場に上手く乗れていると答えられる運用担当者は意外と少ないと感じました。
そういえば今週の日経ヴェリタスにも、ある外資系運用会社の幹部が今回の株高に対して「11月初旬の時点で、株の持ち高を一気に増やす勇気はなかった」と、一方的な株価上昇に懐疑的であったとの記事がありました。
相場に甘い辛いを、嫌というほど味わった経験豊かファンドマネージャーほどそうなのかもしれません。かえってバブルの崩壊の経験の薄い30代のファンドマネージャーなどは、単純に勢いに乗って好成績を上げているという話も聞きます。
特に今回の日経平均の上昇で、第一生命経済研究所の藤代宏一氏の試算では、日経平均の構成比率の高いファストリ、SBG、ダイキン、東京エレク、エムスリーの5銘柄の年初来の上昇率は58%、同期間の日経平均の上昇率は12%、残った日経平均採用220銘柄は昨年末比5%安いという様相だそうです。
更に、日経平均採用銘柄の7割の銘柄が昨年末の水準を上回っていない状態であり、日経225でさえこの偏りということは、更に裾野を広げてTOPIXとなると、跛行相場も甚だしい限りであり、日経平均29年ぶりの高値も、各社で温度差も大きいようです。
ただ、いつの世も運用資金は必ず循環してくるのが相場の常であります。225銘柄に乗ってなくても腐ることはありません。テクニカル、財務内容、切り口等あれば、金余りのこのご時世、順番は回ってまいります。
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