不良債権投資に強みを持つ米国ファンド、ストラテジック・バリュー・パートナーズの創業者兼最高投資責任者(CIO)であるビクター・スコラ氏は「10年に一度のチャンス」と意気込み、16憶5000万ドルの新ファンドを設立した。
この不良債権ファンドは、経営破綻した企業の債権や資産を処分することで利益を上げる投資ファンドで、破綻企業の不良債権や担保資産を金融機関から安く買い取り、売却、転売して利鞘を稼ぎます。
破綻企業を再生する意図はなく、投資利益を回収するために資産を切り売りし、短期間で企業を解体・生産してしまうことから、ハゲタカファンドと呼ばれており、日本ではあまりお行儀がいい資金とは思われておりません。
以前に当欄で、世界の金余りによる投機資金が、純粋な不動産投資として続々と日本に上陸していることはお伝えいたしましたが、更に破綻処理に至るまでのファンドも闊歩し始めており、準備中のファンドも含めて、実に日本円にしてその額は10兆円に及びます。
ただ、今回は単なる不動産切り売りだけではなく、経営難の企業に対する融資や出資など幅広い戦略を取ります。
生かす企業は生かしながら利鞘を稼ぐ、ドライな外資系ファンドの一端ですが、いずれにしても新型コロナの感染拡大で企業の倒産や債務不履行が一段と増え、ファンドの投資機会が拡大すると目論んでおるようであります。
1990年以降の日本のバブル崩壊の時期を思い出しますが、今回のコロナ危機に対する政府支援もいずれ限界となり、再生しきれない企業の整理は、恐らく民間のリスクマネーが担うことになります。不良債権ファンドは再び、虎視眈々とその時期を狙っているようであります。
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